ライフログを取り続けて感じたメリット・デメリット

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1. はじめに

自分の生活を見直すことを目的に,メモの延長線上で始めたライフログでしたが,1 年間ほど実践してきました。最初はメモ帳などのアナログツールから始まり,現在では Google Calendar + Toggl のデジタルツールへと移行しました。その過程で,良い面・悪い面と様々な発見がありました。そこで,それらをまとめたものを記述します。

2. メリット

2.1. モチベーション維持

語学学習や楽器の練習などの継続的な行動が必要なタスクは,モチベーションの維持が非常に困難であることは多くの人が実体験していると思います。ライフログは,この継続的なタスクに対するモチベーション維持・向上に大きく影響すると実践と通して感じました。記録が残るということに対する緊張感や達成感が大きな要因がと考えます。また,○× や数字よりもグラフなどの視覚で直感的に把握できる状態にすることが,モチベーションの維持・向上を促進させるとも感じました。

2.2. 客観的評価

ライフログを導入する以前は,その日 1 日を客観的に評価する基準がなかったため,タスクの締め切り直前で,これまでの行動は良くなかったと反省することが多かったです。しかし,ライフログを導入したことによって,その日 1 日 1 日を客観的に評価することができるようになったため,悪い状況であっても早めにリカバリーできるようになってきたと感じます。

2.3. 集中力向上

現代においては,マルチタスクより 1 つのタスクを集中することに重きが置かれています。しかし,スマートフォンやインターネットサービスなど,集中力を低下させる魅力的なコンテンツが溢れています。その中でも集中力を保てるよう,ToDo リストにある実行可能タスクを Toggl に入力してからタスクに取り組むように心がけました。今,自分が何に取り組むべきなのかは Toggl の画面を見れば思い出せるので,マルチタスクが減り,ライフログの導入以前より集中力が散漫になりにくくなったと感じます。

3. デメリット

3.1. 創造性の低下

上記でも述べたとおり,自分が取り組むべきタスクを Toggl に入力することによって,集中力が散漫になりにくくなった。しかし,研究や創作などのクリエイティビティが重要となってくるタスクに関しては作業効率は上がらず,むしろ低下気味になることが多々ありました。目の前に答えが出ており,あとは作業するだけというタスクに関してはライフログとの相性は良いですが,緊張状態より緩和状態の方がクリエイティビティが必要となるタスクに関しては不向きだと感じました。緊張感からクリエイティビティを発揮される方もいると思うので,ここに関しては個人の差が大きい部分であるかもしれません。

3.2. 作業手順の増加

上記でも述べたとおり,ライフログを導入した初期段階ではストップウォッチとメモ帳を用いてライフログを記録していました。そして, Google Calendar + Toggl のデジタルツールに移行しました。デジタルツールを導入したおかげで,記録やレビューにかかる時間は大幅に短縮することができました。しかし,作業の節目に開始・停止ボタンを押す煩わしさは払拭することができません。

4. おわりに

ここまで,1 年ほど実践してきたライフログに関する気づきをメリット・デメリットとして記述してきました。自分の行動に対する客観的な気付きも得れましたが,同時にライフログの限界も感じるようになってきました。ライフログは,DIKW ピラミッドの Data と Information に該当する情報は大量に記録することができます。しかし,これらの Data と Information を Knowledge や Wisdom に昇格させることができない状態です。もちろん,ウェアラブルデバイスを活用した効率的なライフログ収集やデータ分析手法の強化など,できることは多くあると思います。しかし,その投資に見合うリターンがくるとは現状では考えにくいです。最後に,本記事がライフログを取ろうか悩んでいる,または現在進行形で取っているという人の一助になれば幸いです。